2012年11月08日
シリーズ第7弾【厳しい人が引き締める】 〜棟梁は怖い?〜
見に来て下さり、ありがとうございます。
シリーズ第7弾です。
今回は、棟梁は怖い??
そんな誤解を解きたくて・・・

【厳しい人が引き締める】 〜棟梁は怖い?〜
「棟梁は怖い!」
というイメージが、一般に染み付いてしまっているようです。
確かに、僕らの二世代上あたりまでの棟梁は
かなり堅物で頑固者だったようです。
弟子を躾けるのに、かなり厳しい体罰のようなことも
当たり前にあったようですが、それは時代背景もあって
当時は、さほど珍しいことでもなかったようですね。
今なんて、それに比べたら、
僕ら、めちゃめちゃ優しいですよ(笑)!
「棟梁は何も注文を聞いてくれないんじゃないか?」と
思っている人もいらっしゃるようですが、
ご希望、ご相談、承ります。
押し入れをクローゼットとして使うためのハンガーかけや、
造り付けの机や引き出しも、注文があれば作ります。
もちろん構造上の問題があって譲れない部分もありますので、
お客様とは、しっかりじっくり話をしながら建てていきます。
でも、厳しさには意味があるんです。
棟梁の厳しさは、
『責任』であり『こだわり』であり『覚悟』です。
一生ものの家を提供するだけの覚悟があり、
責任を持っているために、厳しいんです。
それに気づかずに、棟梁を避ける人もいるようです。
昨今、自宅のリフォームをするときに、棟梁に相談せずに
ペンキ屋さんや、電気屋さん、水道屋さんなどに
直接依頼する人が増えてきています。
実際にあった話ですが、ある方が、水道屋さんに頼んで、
2階にある風呂場と洗面所などの水回りをリフォームしたんですね。
湯船を入れ替える工事だったのですが、
そして、床を張り直しているうちに、床が抜けてしまったんですね。
こういったトラブルが起きないように見守るのも、
実は、僕ら棟梁の役目なんです。
棟梁は『家のプロ』です。
監督の役目として何度もチェックしに行きます。
監督としての役割もあるので、厳しい目でチェックしています。
工事の見積もりや段取りが、適切に行われるように監督し
進行を管理していく責任があります。
そして、仮にこういった事故が起こってしまった場合も、
僕を通して水道屋さんに依頼していた場合は、
僕が責任を取って、穴の空いた床の修理代を持ちます。
赤字覚悟のうえです。
「厳しさ」が煙たがられることが増えています。
僕らの時代も、厳しく叱られてきましたが、
その厳しさが、現場を引き締めていたんだと思います。
今は、社会全体に厳しさが減ってしまって、
叱られるほうも、叱られ慣れていない。
弟子入りしてきても、続かないんですよね。
いい加減な仕事をした弟子に、
「お前がもしもお金を出すとして、
この仕事で赦せるんか?
この仕事にお金を払えるんか?」と聞くと、
「払えない」と答える(笑)。
そういう失敗も、棟梁は責任を持ちます。
失敗してもいいんです。
それを引き受ける度量も、棟梁には必要です。
でも、そういう説教を長時間聞く体力も無い若者が
増えてきているんですよね。
厳しさ、凛とした筋の通った家、
そういうものが、どんどん日本から消えていくのは
本当に寂しいものです。
僕らはただ、僕らの造る「家」に責任を持っているだけなんです。
「腹をくくる」覚悟があるんです。
一生ものの、そして、何世代も受け継いでもらえるだけの
家を造る覚悟がある。
「家」という存在そのものの価値も変わってきたし
「厳しさ」に対するイメージも変わってしまった。
良い意味での、厳しさも減ってきています。
厳しさがあるから、現場が引き締まる。
厳しさがあるから、子どもたちも先生についていく。
「厳しさ」って『責任』であり、
子どもや後継者を育てるのに必要な『愛情』でも
あるんじゃないかと、僕は思っているんですけどね。
棟梁
長楽 加藤建築 ホームページはこちら
http://www.nagara-katou.biz
大工のつれづれ長楽日記日々更新します
ながらの母ちゃんことかかのブログもご覧ください
シリーズ第7弾です。
今回は、棟梁は怖い??
そんな誤解を解きたくて・・・
【厳しい人が引き締める】 〜棟梁は怖い?〜
「棟梁は怖い!」
というイメージが、一般に染み付いてしまっているようです。
確かに、僕らの二世代上あたりまでの棟梁は
かなり堅物で頑固者だったようです。
弟子を躾けるのに、かなり厳しい体罰のようなことも
当たり前にあったようですが、それは時代背景もあって
当時は、さほど珍しいことでもなかったようですね。
今なんて、それに比べたら、
僕ら、めちゃめちゃ優しいですよ(笑)!
「棟梁は何も注文を聞いてくれないんじゃないか?」と
思っている人もいらっしゃるようですが、
ご希望、ご相談、承ります。
押し入れをクローゼットとして使うためのハンガーかけや、
造り付けの机や引き出しも、注文があれば作ります。
もちろん構造上の問題があって譲れない部分もありますので、
お客様とは、しっかりじっくり話をしながら建てていきます。
でも、厳しさには意味があるんです。
棟梁の厳しさは、
『責任』であり『こだわり』であり『覚悟』です。
一生ものの家を提供するだけの覚悟があり、
責任を持っているために、厳しいんです。
それに気づかずに、棟梁を避ける人もいるようです。
昨今、自宅のリフォームをするときに、棟梁に相談せずに
ペンキ屋さんや、電気屋さん、水道屋さんなどに
直接依頼する人が増えてきています。
実際にあった話ですが、ある方が、水道屋さんに頼んで、
2階にある風呂場と洗面所などの水回りをリフォームしたんですね。
湯船を入れ替える工事だったのですが、
そして、床を張り直しているうちに、床が抜けてしまったんですね。
こういったトラブルが起きないように見守るのも、
実は、僕ら棟梁の役目なんです。
棟梁は『家のプロ』です。
監督の役目として何度もチェックしに行きます。
監督としての役割もあるので、厳しい目でチェックしています。
工事の見積もりや段取りが、適切に行われるように監督し
進行を管理していく責任があります。
そして、仮にこういった事故が起こってしまった場合も、
僕を通して水道屋さんに依頼していた場合は、
僕が責任を取って、穴の空いた床の修理代を持ちます。
赤字覚悟のうえです。
「厳しさ」が煙たがられることが増えています。
僕らの時代も、厳しく叱られてきましたが、
その厳しさが、現場を引き締めていたんだと思います。
今は、社会全体に厳しさが減ってしまって、
叱られるほうも、叱られ慣れていない。
弟子入りしてきても、続かないんですよね。
いい加減な仕事をした弟子に、
「お前がもしもお金を出すとして、
この仕事で赦せるんか?
この仕事にお金を払えるんか?」と聞くと、
「払えない」と答える(笑)。
そういう失敗も、棟梁は責任を持ちます。
失敗してもいいんです。
それを引き受ける度量も、棟梁には必要です。
でも、そういう説教を長時間聞く体力も無い若者が
増えてきているんですよね。
厳しさ、凛とした筋の通った家、
そういうものが、どんどん日本から消えていくのは
本当に寂しいものです。
僕らはただ、僕らの造る「家」に責任を持っているだけなんです。
「腹をくくる」覚悟があるんです。
一生ものの、そして、何世代も受け継いでもらえるだけの
家を造る覚悟がある。
「家」という存在そのものの価値も変わってきたし
「厳しさ」に対するイメージも変わってしまった。
良い意味での、厳しさも減ってきています。
厳しさがあるから、現場が引き締まる。
厳しさがあるから、子どもたちも先生についていく。
「厳しさ」って『責任』であり、
子どもや後継者を育てるのに必要な『愛情』でも
あるんじゃないかと、僕は思っているんですけどね。
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