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2013年07月17日

匠がもの申す 第14回 「呼吸する床」

*呼吸する床*

高機密、高断熱の住宅が、世間では求められています。
「寒さ」と「湿気」を避けるためです。

以前にも話しましたが、昔は、田んぼの田の字といって
ふすまで区切られた、たくさんの和室があり
ふすまを取り払うと、部屋がひとつになるように
建てられていました。

ふすまを開け放すと、すべての部屋に
風が通り抜けるようになっていたのですね。

そして、畳を上げると、
その下には土が見えていました。
床下の換気も良かったのです。

ところが、今の建築基準法では、
地盤調査の結果によっては、
基礎工事の段階で、土をすべて覆い隠すように、
コンクリートを流し込むことになっています。

一般に「べた基礎」と言われる基礎のやり方です。
阪神大震災以降に、増えてきました。

それ以前は、「布基礎(ぬのきそ)」といって、
壁、柱、部屋の仕切りなどの下のみ
コンクリートを打ってあり、
それ以外は地面が見えている状態でした。

地盤によっては、今も、布基礎でも構わないのですが
それでもなおかつ、後から土間の部分に
「防湿コンクリート」を流し込んで
蓋をするという処理をすることが増えています。

とにかく、土から湿気を上げないということに
とてもこだわるのです。


僕のような昔気質の大工の感覚では
このような土全体をコンクリートで塞ぐ
ということには、ちょっと抵抗があります。

せっかく、風通しのいい家を造り、
土壁で呼吸する壁を造っても、
呼吸できない床にしてしまうのが
何とも違和感があるのです。

そこで、僕が建てるときには、
このように、床に小さな穴をあけます。


匠がもの申す 第14回 「呼吸する床」


工事中の雨水を排水するための穴は
施工後にすべて塞いでしまいますが
これとは、また別のものです。

僕の大工としての感覚では、
やはり、床も呼吸しているのが普通なんですね。

床が呼吸して初めて、空気が循環するはずなんです。

これぐらいの大きさの穴であれば
湿度には影響しません。

また、建築士さんのチェックが入りますので
そのときにOKをいただいています。

こうやって、少しでも、僕らの職人感覚を活かした
小さな技が、大工の建てる家には隠されています。

呼吸する壁。
呼吸する床。
生きている材木。

住まわれている方から
「森のなかにいるような透明感がある」
と言ってもらえるのは、風通しが良くて
家全体が呼吸しているからなんですね。





                                棟梁


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Posted by 大工のとと at 21:58│Comments(1)匠が物申す
この記事へのコメント
お世話になります!
あ-!
ペ-パ-設計ですか?
棟梁さん、
自然、環境、貴方に、必要ですか?その人?
ごめんなさい
Posted by 喜建築 at 2013年07月17日 22:19
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