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2014年05月14日

匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」

宮大工の手伝い  ~「加藤くん!」と呼ばれて~


ずっと憧れていた、宮大工の仕事の
手伝いに行くことができました!

匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」




内閣総理大臣賞にも輝いた
吉田藩の最後の棟梁の最後のお弟子さんでもいらっしゃる
今は亡き宮大工、阿部幸次郎さんの
阿部工務店さんです。

親父が一級の技能検定を取る時に、
阿部幸次郎先生に教えてもらったご縁もあり、
ずっと憧れていました。

今回は、彫刻士の仲間が紹介してくれ
10日間の約束で、働かせてもらいました。

「よろしくお願いします!」と挨拶して
棟梁に「加藤くん!」と呼ばれながら仕事しました。
新米の若い衆のころを思い出しましたねぇ(笑)。


僕がお手伝いさせてもらったのは、
とある「お寺の本堂」の建て替え工事。

「これがホンモノだ!」と思いましたね。

びっくりするぐらいの仕事ぶりなんですが、
それでも「簡略化している」のだそうです。


床も、屋根も、住宅と違って高さがありますし、
木材も、全体的に太くて長いんですよ。
それらが、5mmのズレもなく、
すべてが綺麗に収まっていくのは「圧巻」です!


例えば、通し柱でも、僕らが「女大黒」として
使っているの太さ(7寸=21cm)のものを使っていました。

幅21cm、高さ12cmの土台の上に柱を立てていき、
その60cmぐらい上がったところに、
「足固め」を張り、その上に床を張ります。

つまり、基礎から1mほど上がったところが床になるので
やっぱり民家と違って、高いですね。

それなのに、筋交いも何も無しに建っていくんですよ。
きれいに、すぼすぼと柱が入っていくのを見ると
「すごい!」の一言です!


丸桁(がぎょう)という垂木を支える材料は檜で
一番大きな中桁など、長さ12mほどもあるんです。
太さなんて、末は50cmぐらい、根っこは90cmほど。


匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」





「日本に、まだ、こんな大きな木があったか!」と驚きました!
岐阜の奥のほうにある木だそうです。

小屋組みを組んだ後、棟のてっぺんに登らせてもらいましたが
25tレッカー車が、ミニカーみたいに見えました。







6mの高さの初重張りのところを
歩いていけと言われた時には、
さすがに「無理です!」と言ってしまいました。

でも、だんだん慣れてくるもので
「加藤くん大丈夫か?」と言われて
「はい、がんばってみます」と歩いてみました。


匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」



あれだけの大きさのものを
どうすれば、きっちり刻めるのかっていうのは
僕らプロから見ても、本当に驚くばかりです。

あれが「本物を造る人たち」なんでしょうね!

野組の方法は、恐らく基本は同じはずです。
ただ、「寸法の出し方」については企業秘密なんですよ。






社寺建築には、きっと独特の方法があるんだと思います。
そこは、教えてもらえませんのでね(笑)。


阿部工務店さんの現在の棟梁は、
細身で小さくて、飛ぶように歩くような身軽な棟梁ですが
知識と経験と度胸は、やっぱりピカイチ!


僕は、10日間の契約で8日ほどしかできなかったのですが、
最終日に、棟梁に「加藤くん! 配付墨木を取り付けておいて」と、
いきなり言われました。

「できるわけないじゃないですか!」と、驚いて答えると
「大丈夫大丈夫! 加藤くんならできる!
 グランプリに行ったことある人が、何を言うとる?」
なんて言いながら、本当に任せてくれるんですよ。

時間はかかったとしても、絶対にやりきるだろうと
信じてくれてるんですよね。


匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」



最初はなかなか、差し込めなくてよく見ると
ほず(ほぞ)穴を、わざとに小さく作ってありました。
ちゃんとあてがって寸法を取らないとダメなんですね。

それを4本すべて、寸法とってつけていたら
14時から始めて、夜までかかってしまいました。

匠がもの申す第23弾 「宮大工の手伝い」



棟梁には「ちゃんとできとるじゃん!」と言われ、
その後、社長にも、今後も手伝いに来てもらえないかと
言ってもらいました。

行きたかったものの、僕も本業があるのでお断りしましたが、
宮大工さんに認めてもらえるのは、本当に嬉しいことです。

こんなふうに、僕もまだまだ、
常に、勉強をしつつ、腕を鍛えています。


棟梁

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Posted by 大工のとと at 21:03│Comments(4)匠が物申す
この記事へのコメント
ととさん、Bravo 〜 \(^o^)/
ココはあえて英語で…σ(^_^;)

いま、豊川の三明寺にある三重塔が補修工事されています。

岐阜県の宮大工さんが手掛けられていますが、できれば地元の業者さんに手掛けてほしいと思いました。
Posted by EMG at 2014年05月14日 23:28
◇えんそう◇にも手伝い依頼のお声掛からないかなぁ(笑)
Posted by ◇ えんそう ◇◇ えんそう ◇ at 2014年05月15日 08:41
EMG 様

三明寺の三重塔修理されているんですね。

そうなんですよね!
地元に直せる方々がいるんですが、
結局、入札制度で、よその方に持って行かれてしまう、
残念でなりません。
Posted by 大工のとと大工のとと at 2014年05月15日 13:24
◇ えんそう ◇様

きっと、そんなチャンスが巡って来ると思いますので、
それまで、技術を磨いておいてください。
Posted by 大工のとと大工のとと at 2014年05月15日 13:26
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